日本民藝館(本館・西館) 感想 2016.02.03
2013年4月に行った日本民藝館(本館・西館) 感想メモまとめ。
「日本民藝館は、『民藝』という新しい美の概念の普及と『美の生活化』を目指す民藝運動の本拠として、1926年に思想家の柳宗悦(1889-1961)らにより企画され、実業家で社会事業家の大原孫三郎をはじめとする多くの賛同者の援助を得て1936年に開設された。」(日本民藝館HPより)
〈本館〉は所蔵品などを中心に民藝品の展示がされる美術館のような施設、
〈西館〉は72歳で没するまで生活の拠点となった、柳宗悦の旧邸。日によっては入れる。
西館に行ってみたくて、入れる日に行った。
〇西館館内
夏とかいい風の入りそうな。
屋内だけど、空気の陰でこもった感じがあんまりしない。ひんやりとはしてる。
すりガラスを通して中に入る日光の、涼やかさ。すずしい水色。
「清」の感じ
ムラが綺麗だな。
ガラスとか、木の表面、ふすまとか、きれい(クリーン)すぎなくてほっとする、ムラがある。
ムラというより揺らぎ、みたいな。心地よさ。
建物や家具自体が息をしていて、それぞれの呼吸、が空間にゆらぎとして柔らかく反響してるような感じ。
展示でありながら、生活空間としての美しさ、を同時に見せるというのは美術館とはやっぱり違う努力が必要そう。だから『民藝』活動の拠点が必要だったのかな。
"在り方"
柳宗悦さんの書斎は、他の部屋に比べてひときわ静かだった。
そして、そんな広い部屋という訳ではないけど、何だか広々と感じられた
かたち、と、いろ(こころ)
部屋の物質としての形、と、中に満ちているもの、の部分の関係、
それが人間の体と心の重心バランス・落ち着きどころととっても似てる。気がする
だから広く感じるのか、シンクロ(リンク?)できるから。
〇本館館内
ガラスケースにも作品が飾ってあるけど、民藝品らしい家具にも飾ってあったり。
館内全体として空間が作られてる。
"作品"そのものもすごいんだと思うけど、それぞれの呼吸が活きてる、事がもっといいな。
やっぱり美術館というか、民藝館、なんだな。
生活
"かたち自体から匂う美を吸い込む"感
表れる・現れる。ものを。
展示するという時に、
どこでも同じようにすごさが分かる、という事も必要かもしれないけど、場所によって出てくる味わいが当然違う事を当たり前に肯定し楽しむ、心は素敵だな
人が作るものには、土地がしみ込んでる。
自ずとあらわれてくる。
「道」に添うことができていればいるほど。
作品の奥に広がる自然の景、重ねていく生活の色味
いつまでも揺らぎ、楽しみが時々に生まれるように、
殺すことのないように、
自然に溶け込ませていくという方法を取ったんだろうか。